マネーリテラシー概論 超入門 【第9回】コモディティ 意外と大事なリスクヘッジ
マネーリテラシー概論 超入門 【第9回】コモディティ
意外と大事なリスクヘッジ (投資じゃないけど...)
マネーリテラシーシ概論リーズも具体的な金融商品の紹介は前回の投資信託で最後、のつもりでしたが,少しだけ触れておこうかと考え直したテーマがあります。
それが,商品です。
「商品ってなんだ?スーパーで売っている肉とか野菜の事か?」
という声が聞こえてきそうですが,ここでご紹介するのはそれとは異なります。
ここではその商品(コモディティ)について少しだけ簡単にご紹介します。
なぜ少しだけなのか?
最初から順番に記事をご覧いただいた方はお気づきかもしれませんが,
(当初の予定では)触れるつもりはないと別の記事で書いた気がします。
とはいえ,少しは知っておいたほうが良いのでは?
という考えのもとご紹介する次第です。
ただし,あくまでこのような選択肢もあるんあだなぁ程度にお読みください。
注意:
投資(+投機)はあくまで自己責任で行うものです。また,当ブログは特定の投資行為を推奨するものではありません。ゆえに当ブログでは一切の責任を負いかねます。
詳しくはブログポリシーのページをご確認の上ご了承ください。
コモディティ(商品)とは?
朝のニュース番組で株価や為替と共に「商品」の値動きを伝えることが有ります。
ここで言う商品とは石油,金やプラチナなどの貴金属,そしてトウモロコシなどの穀物を指します。1)
(+電気などのエネルギーも)
これらも市場で取引されており,ガソリン価格の変動は皆さんにもなじみ深いのではないでしょうか?
また商品先物取引とは,商品を”将来ある時期に,ある決まった値段で買う権利”の売買取引の事です。1)
参考文献によれば
「商品先物取引もデリバティブの一種であり、素人が手を出して良いものではない」1)
とのことです。
第2回でもご紹介した通り,それ自体に成長性を伴わない対象の取引はゼロサムゲームであり,投機(ギャンブル)性が高いです。
コモディティである石油や貴金属,穀物は需給で価格が決まり,その取引は投資とは少し違うように考えられます。
それゆえ,当ブログでは基本的にコモディティについては紹介しない方針でした。
ではなぜここで触れるのか?その理由は以下に...
リスクヘッジのためのコモディティ”金”
商品先物取引を目的の一つには先ほどご紹介したように「投機」がありますが,「リスクヘッジ」のために商品先物取引を行う場合もあります。1)
今回,コモディティをご紹介するに至った訳がこのリスクヘッジにあります。
リスクヘッジを考える際に最もポピュラーなコモディティは貴金属,とりわけ金・ゴールドが対象とされることが多いです。
以下に示す田中貴金属の動画によれば,金は世界中から集めても国際基準プール4杯分しかない貴重な金属なのだとか。
*田中貴金属での金の取引の勧誘を目的としているわけではありません
希少ゆえに価値が高いとされる金ですが,その価値は古今東西で認められてきました。
金は古代エジプトにおいてはファラオの仮面に,現代においては集積回路にと,装飾品だけでなく工業的な素材としても用いられる無くてはならない貴金属です。
化学的な安定性も高く王水(塩酸と硝酸の混合物)以外には溶けないそうです。
その為,一般に不況で株価が下がると金価格は逆の値動きをする傾向があるといわれています。
このように,希少性・重要性・安定性を持ち合わせるゴールドは「安全資産」としても認識され,「有事の金」としてリスクヘッジのために買われてきました。
ちなみに,ドラマ「ナサケの女」ではFXで得た収益を金のインゴットに変えて隠す脱税者が登場します。
現代における金の購入
ここまでは,「金を購入・所有することがリスクヘッジにつながるかもしれない」
ということについてご紹介してきました。
しかし,純金のインゴットを購入して保有するというのはあまり現実的ではありません。
インゴットを購入するのではあれば,ある程度まとまった量からでないと購入でいないでしょうし,それに伴い一度に相当な額のお金も必要になるでしょう。
また,一定の金額以上の純金を購入する際は個人情報の提示が必要になるとか?
(所得税法,犯罪による収益の移転防止に関する法律,古物営業法,消費税法とかとか??)
買った後も管理手数料を取られ,自分で保管するとしても盗難のリスクもあります。
純金のインゴットを眺めるのではなく,リスクヘッジだけを目的に購入するのであれば現物を購入するのはあまり効率が良いとは言い難いように思えます。
そこで,解決策となるのが前回ご紹介した投資信託やETFです。
株価指標に連動して価格が変動するETFや投信があるように,純金信託と呼ばれる純金の価格に連動した値動きをする投信やETFも存在します。
(私もほんの少し純金価格連動型のETFを買ってみたりもしています)
このような投信やETFを買うだけで,投信や株を買う感覚で純金でのリスクヘッジが可能になるというのはかなり便利な世の中であるように思えます。
(ETFはその構造上,色々な金融商品の美味しいとこ取りができるので個人的に好きです。)
リスクヘッジのため純金を取り入れたいけれど現物は敷居が高いという方は,コストやリスクが抑えられて手軽に始めることができるETFも検討してみては?
まとめ
今回は,誰もがその価値を認める「金」を中心にコモディティについてご紹介しました。
冒頭でも述べたように,コモディティについて触れる予定はありませんでした。
それは,投機性の高いゼロサムゲームを私が好まないのというのが主な理由です。
しかし各証券会社のiDeCoの商品ラインナップを眺めていたところ,コモディティ投資の機会を~という選定理由と共に純金ファンドが並んでいました。
そのため,今回は少しだけ触れる程度にコモディティ・金を取り上げてみました。
本文中では触れませんでしたがメープルリーフ金貨など貴金属硬貨を対象としたコイン投資というジャンルも昨今ではあるようです。
現物は敷居が高いけど,有価証券ではなく実物を持ちたいという方は,そちらも調べてみてはいかがでしょうか??
今回はここまでです。また別に記事でお会いしましょう。
さよなら~
前回: 【第8回】投資信託
参考文献
1)
アンドリュー・O・スミス 著,桜田直美 訳,”アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書”
SBクリエイティブ,2019,p.222-224
コメント
0 件のコメント :
コメントを投稿
コメントいただけますと励みになります。
ご質問ご意見ご感想をお待ちしております!