マネーリテラシー概論 超入門【第2回】資産運用と投資 

ソレって本当に投資ですか? (投資と投機)



このマネーリテラシー概論 超入門は
  • 資産運用・投資に興味がある人

  • 始めたいと思っている人

  • でも怖いと思っている人  などなど
第一歩を踏み出せていないという超初心者の方を対象に,かつては自分もそうだった私が皆さんの踏み出すお手伝いになればと思い,自分なりにまとめてみようという試みです。

前回の第1回ではお金に対する認識を変えていただくためにお金の形態について触れてみたり,いくつか身近な例を挙げてみたりしました。

お金が必ずしも安全な資産の形ではない,逆に債券や株式などの資産も悪くないかも?
と新たな発見をしていただけたかもしれません。

じゃあさっそく増えない現金の貯金を崩して株を買ってみよう‼というのはやめてください。
いきなり武器(知識)も持たず飛び込むと,飛び込んだ先は鍋かもしれませんよ😨

注意:

投資はあくまで自己責任で行うものです。また,当ブログは特定の投資行為を推奨するものではありません。ゆえに当ブログでは一切の責任を負いかねます。詳しくはブログポリシーをご確認の上ご了承ください 



大事なことなので今回も書いておきます。




美味しそうなカモさんですね。

これから皆さんが飛び込む世界には,超初心者の皆さんをよだれを垂らして眺めているオオカミたちがたくさんいるかもしれません。
甘い言葉で誘ってくるかも?

知識は用意せずお金だけを用意して投資の世界に飛び込もうとしている初心者はそういった人々にとって,ネギを携え自ら鍋に飛び込むカモのような存在です。

資産運用に対する,やる気でみなぎるのは悪いことではありませんが,始める前の恐怖心を完全に捨てて良いということではありません。

冷静に考え正しく怖がりましょう。

第2回である今回は具体的な金融資産の解説に入る前に,資産運用全般において多くの人がするであろう投資という行為について気を付けるべきことなどについてまとめていきたいと思います。

本日のキーワード

  • 投資、投機

  • プラスサムゲーム、ゼロサムゲーム

投資とは?

お金自身に働いてもらい,増殖してもらう。これが資産運用の主な目的です。

私にとっては,お金に旅に出てもらって仲間を連れて帰ってきてもらうという感覚です。
(逃げた馬が名馬を連れて帰ってきたという,”塞翁が馬”の物語を思い出します。)

だからこそプロフィールに示した私の座右の銘は「かわいい金には旅をさせよ」なのです。

(私はコンビニのATMで証券口座に入金する際に,福沢さんに友達を連れてきてねと念じるほどの変人です。今度からは福沢さんじゃなくなるのか…。)

この資産運用において,多くの人が通ることになる道。

それが投資です。

投資と聞くとどんな言葉を連想するでしょうか?

自身の成長を目指している方は自己投資。

金融資産に興味のある方は株式投資,投資信託…。

他にもアパートやマンションを買って不動産投資などなど。

投資とつく言葉も色々ありますね。

ここでは,金融資産に話を絞って議論します。

しかし皆さんが投資と思っているもの或いは世間で投資と言われている物の中には,実は投資ではなく投資のソックリさんが紛れ込んでいるかもしれません。

また「投資はギャンブルだからダメ」と思っている方も,その投資だと思っているものは本当に投資でしょうか?

早速ですが次のうち,投資の対象として適切なものはどれでしょう❓

銀行預金,債券,株式,投資信託,FX,仮想通貨,金

超初心者の方でなくても改めて聞かれると,意外と難しいのではないでしょうか?

実は,何が投資にあたるのかというのは人によっても考え方が様々で捉え方が一つに定まらないでしょう。

当ブログ内では私が勝手に投資とは何か定義すると以下のようになります。
(勝手にとはいえ,賛同してくださる方は一定数いると信じています)

     ”長期的な視点で対象に成長性を見出し,
見返り(リターン)を期待して資本(お金)を投じる行為”

ここではあくまで資産運用における投資を想定しています。

実際にはお金だけでなく時間も投じるものと捉えられるかもしれません。

自己投資という言葉もあります。


ではここで,成長性という点に着目してみましょう。

ここで,さらに成長を”価値の増大”と定義しましょう。

その上で,上記の選択肢について今一度考えてみると?

本質的な投資といえるものには企業などの成長性に期待する株式と債券が該当しそうです。

企業というのはそもそも利益の為につくられる組織であり,利益の為に日々精進しています。
(少なくとも理想はそうです)

詳しくは別の回で解説予定ですが,株式や債券というのは企業(や国など)が必要なお金を募る,或いは一時的に集めるための仕組みです。


FXや仮想通貨,金は,通貨の価格は変動しますが,通貨や金属そのものが成長するとは考えにくいです。

通貨の総和というのは通常ほぼ一定(になるように中央銀行が調整しているハズ)です。

よって価格が変動するのは,ほとんどの場合単に需要と供給よって決まっています。

貴金属の存在量も地球上・宇宙全体では一定だと言われています。
(結局のところ原子の集まりですからね。)

ですから,これらは投資には該当しなさそうです。


銀行預金は金利が上昇することは考えられますが,そのときは逆にお金の価値そのものがインフレによって減っているだけかもしれません。

やはりお金そのものは成長しなさそうですのでこれも投資ではなさそうです。


最後に投資信託ですが,コレについてはこの条件だけではどちらとも言えないというのが正解です。

というのも,投資信託の運用方針も様々だからです。

詳細は後程,投資信託の回をご覧いただければと思います。


Point:投資をしてお金に働いてもらおう!


投資?それともギャンブル?

では,投資だと今まで思っていたものは何だったのでしょうか。

ここでよく投資と対比されて語られるのが”投機(とうき)です。

投資と比べるとあまり聞きなれないのではないかと思いますが,投機というのは簡単に言い換えるとギャンブルのことです。

一般的にイメージするブラックジャックやバカラなどのギャンブルとは少し異なりますが
価格変動が頻繁に起こるもの(貴金属,通貨,原油など)であれば投機の対象となり得ます。

そこに成長性は必ずしも必要ではありません。
(むしろ数が増えると需要が減って価格が下がるかも⁉)

ちなみにみんな大好きWikipedia先生では投機は以下のように表現されています。
投機(とうき)とは、
短期的な価格変動の目論見から、利益を得ようとする行為。

さて,この定義を見て何か気づくことは無いでしょうか?

先程私が示した投資の定義では,

”長期的な””見返り(リターン)というワードが含まれていたのに対し,

この投機の定義には

”短期的な””利益”というワードが含まれています。


長期と短期の違いは分かりやすいと思います。

また私見ではありますが,利益というのは自分単独でも得ることができるのに対して,見返りというのは相手がいて,その相手によってのみもたらされると考えられます。


ここで例としてトレーダーと投資家の違いを考えてみましょう。

トレーダーと呼ばれる人たちは通貨や株式などの売買(トレード)を繰り返すことにより,売買の差額で利益を上げています。

投資と聞くと多くの人々が想像する,モニターにしがみつくアレのことです。

いくら労力や時間がさほどかからないとはいえ,彼らは自らの利益の為に日々モニターとにらっめこして一部でも財産を失うリスクに耐えながら自らの時間をかけて自分の為に努力をしています。

トレーダーと聞くとギャンブルの他に一攫千金や楽して稼げるというイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが,実は彼らも不安やストレスに苦しみ,利益の為にひた向きに努力しているのです。

つまりは,自分でもしっかり働いているのです。
(人のためかどうかはさておき)

持っているお金を動かした上で利ザヤを稼いでいるのですからある意味資産を運用していますが,お金に働いてもらうという我々の求める姿ではなさそうです。


一方,長期的な目線で資産を運用する投資家はどうでしょう?

彼らは株や債券はたまた不動産と言った資産を保有し,会社の利益の一部を受け取ったり,家賃収入を得ていたりします。

ですがそのために彼らがしたことと言えば,せいぜい資産を買う事だけです。
(実際には不動産は管理,株式投資には銘柄選定などが必要ですが)

では,だれが代わりに稼いでいるのかといえばそれは会社で働く従業員の方々や入居者の方々です。

少しこれについて解説するのはタイミングとしては早いかもしれませんが,これが資本主義の構造です。

起業家(ビジネスオーナー)は事業の為に
  • 投資家からお金を集め

  • そのお金で従業員を雇い

  • 事業に必要な設備を購入し

  • 事業を成功させて得た利益の一部を投資家にお礼として還元する

これが資本主義の構造です。

この仕組みの中で日本人の多くは従業員という立場に甘んじて,なかなか投資家や起業家にはなろうと思いません。


ここで,資産運用という視点に立ち返ってみましょう。

資産運用とは資産(お金)に働いてもらい増殖してもらうことでした。

つまり資産運用を行うにあたってお金ではなく自分がメインで働くというのは,いささか効率が悪いと言わざるをえません。

ゆえに,私たちが目指すべきはトレーダー(投機家)でもなく投資家であり,投資をすることが望ましいと考えられるのです。

Point:投資家であれ、投機家(ギャンブラー)を目指すな!


プラスサムゲームとゼロサムゲーム

さて,投資家になれと言われたものの,まだまだ投資と投機について違いが良く分からないという方の為にここでキーワードを出しましょう。

それがプラスサムゲームゼロサムゲームです。
(ついでにマイナスサムゲームという言葉もあります)

ここで言うサムというのは合計や総和の意味です。

Eから始まる表計算ソフトの関数の一つにSUMというものがありますがそのサムです。

この事からプラスサムゲームは損得(価値)の総和が,最初の状態よりプラスになる(可能性のある)ゲーム。

つまり参加者全員が得をできるかもしれないゲームのこと。


一方,ゼロサムゲームは損得(価値)の総和が±0になるゲーム。

つまり参加者は勝ち或いは負けのどちらかにはっきりと別れ,損する人と得する人がでるゲームのことです。
(嫌な表現ですが,「人の不幸は蜜の味」というようなゲームです)


さらに,マイナスサムゲームというものは損得の総和がマイナスになるゲームです。

通常ゼロサムゲームに見えるモノでも,手数料などを考慮すると総和がマイナスになっているという事もあります。

このようなケースでマイナスになった分はどこへ消えたのかというと,胴元だけが手数料などで安定して得をしている場合がほとんどです。

体表的な例としては”宝くじ”がこれにあたります。


この3つの中で資産運用としての投資をする人が参加するべきなのはプラスサムゲームのみということはお分かりいただけると思います。

では,先ほどの選択肢↓についてもう一度この視点から考えてみましょう。

銀行預金,債券,株式,投資信託,FX,仮想通貨,金

債券や株式は先程と同様に価格上昇以外にも,金利や配当といった資産を持っているだけで入ってくる収入があります。

ゆえに,この二つはプラスサムゲームといえそうです。

銀行預金,FX,仮想通貨,金の3つについては預金(円,外貨)や仮想通貨,金を保有しているだけではこれらは何も生み出しません。

さらに取引や引き出しの時点で手数料がかかるためこれらはマイナスサムゲームに分類できそうです。

最後にやはり投資信託が残りますが,投資信託には分配金という配当のような制度が存在します。
しかしながら,手数料も様々な種類が存在します。

ゆえに,ここでも”この条件だけでは判断できない”というのが正解でしょうか?
(ここではまだ投資信託もに様々なものがあるんだぁなという認識で十分です)

Point:プラスサムゲームに参加しよう

まとめ

今回は投資と投資に見えるそっくりさんの正体について解説してみました。

今まで投資はギャンブルだから怖いと思っていた方、いかがでしたか❓

投資への良くないイメージが払拭されて,少しは前向きな気持ちになっていただけたのではないでしょうか。

それと共にそっくりさんを見破れるようになっていれば完璧です。


次回、第3回ではその投資を始めるにあたってどうしても避けられないリスクとリスクを取るからこそ,もたらされるリターンについて解説していこうと思います。


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それでは次回もお楽しみに

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