マネーリテラシー概論 超入門 【第8回】投資信託  

みんな大好きフルーツバスケット(そのカゴ大丈夫❓)



マネーリテラシー概論シリーズもいよいよ大詰め。
後半の種類ごとの金融資産のご紹介も今回が最後となります。

当シリーズの後半では銀行預金,債券というように,リスクの小さい順にそれぞれの金融資産のカタチを紹介してきました。
そして前回ようやく投資先の王様である株式にたどり着きました。

そして今回,図の中で最後にご紹介するのが投資信託,いわゆる投信です。
近頃,株式に並び有名になりつつある金融商品であり,様々な制度の対象にもなっている重要な資産のカタチでもあります。

一方で良くない噂も絶えない資産である投信ですが,これを機に正しく知り,理解し,判断することを心がけましょう。

キーワード

  • ファンド,ファンドマネージャー
  • 信託報酬,買い付け手数料
  • インデックスファンド,アクティブファンド
  • つみたてNISA(ニーサ),iDeCo(イデコ)  
  • ETF,REIT                        など

注意:
投資はあくまで自己責任で行うものです。また,当ブログは特定の投資行為を推奨するものではありません。ゆえに当ブログでは一切の責任を負いかねます。
詳しくはブログポリシーのページをご確認の上ご了承ください。
このシリーズの中で今回特に,現在進行形でとっても大事なことかも‼


投資信託(投信)とは?

投資信託,投信という言葉だけは良く聞いたことがあるという方は多いと思います。
ただ,具体的にどんな金融商品なの?と聞かれると,少し戸惑う方もいるかもしれません。
また,金融詐欺などあまり良いイメージを持っていない方も多いのではないでしょうか?

ここで,投信のリスク・リターンの大きさをいつもの図で確認しましょう。


はい,いつもの図です。
しかし,ここで何かに気づいた方は鋭いですね。
冒頭でリスクが小さい順に紹介してきたとお伝えしました。

しかし,この図によれば投信は債券よりもリスク・リターンが大きく,株式よりリスク・リターンの小さい資産のカタチです。

また,第3回では投資信託のリスク・リターン図での分布は広いということもお伝えしました。

なぜ,投信はリスク・リターン図での分布が広く,私がわざわざリスクの順に従わず例外的に最後にご紹介するのか?

これには,投資信託の仕組みに原因があります。

投資信託の信託とは呼んで字のごとく「信じて託す」という意味です。
いったい誰を信じて誰に託しているのでしょうか?

投資信託は証券会社だけでなく,身近な銀行などで買うこともできます。

では投資信託を売っている銀行や証券会社に託しているのでしょうか?
そのような場合もありますが必ずしも投信を売っている人と,あなたがお金を託した人が同じとは限りません。

あなたを含め,投資家達が銀行や証券会社などの代理店で投信を購入すると,その購入のために支払ったお金は投信の運用会社に渡ります。

この運用会社が投信を販売した銀行や証券会社,その関連会社の場合も多いですが,そうではなく投信の運用を専門に行う会社もあり,そこに渡ることもあります。

こうして,大勢の投資家が支払った購入代金は一か所に集められます。
このお金の集まりは特にファンドと呼ばれます。
例えば,国内債券ファンドや純金ファンドといった感じです。

この集められたお金は,投資(あるいは投機)の元本として運用・投資されます。
運用は運用会社の,一応投資のプロと呼ばれる人達や,人工知能(AI)が行います。
この一応投資のプロと呼ばれる人は,ファンドマネージャーとも呼ばれます。

つまり皆さんが投信を買った際に自分の資産(お金)を託す相手は,このファンドマネージャーやAIということになります。

運用者だからと言って,好き勝手にファンドのお金を運用して良いわけではありません。
投資信託は予め決められた目的やシナリオに基づき運用されなえればいけません。

例えば,○○債券ファンドのお金は対象となる債券の取引に充てられますし,○○国内株式ファンドのお金を外国の株や株以外の資産の取引に充てられません。

この目的やシナリオは,投資家自身も投信を購入する前にしっかり把握し理解していなければいけない重要なものの一つです。

このように,投信を買うということはファンドマネージャーやAIを通して大勢の投資家が間接的に対象の金融資産などへの投資(投機)を行うということになります。

この時,投資対象となるのが多くの場合これまでご紹介した債券や株式です。
(このため,リスクの順とは関係なく中身である債券や株式をご紹介したうえで,最後に投資信託の解説・ご紹介をすることにしました。)

また純金ファンドのように貴金属など形のあるものに投機したり,それらの価格に連動したりすることを目的とするファンドもあります。

結果として投資が成功すれば投信の購入者は投信を購入価格より高い価格で換金したり,投資により得られた利益を分配金として口数に応じて受け取ることができたりします。
(投信の場合は株式ではないので株数ではなく口数,配当金ではなく分配金と呼ばれます)

投資信託の特徴・優位性

間接的な投資と考えると銀行預金同じように思えますが,投資信託には普通であれば銀行預金を上回る利回りが求められます。


銀行預金が一定額までとはいえ元本が保証されているのに対し,投資信託は元本保証では無い金融商品ですのでリスク・リターンの関係から考えれば当然と言えば当然のことかもしれません。

また間接的といえば,投資信託はよくフルーツや野菜の詰め合わせ,色々なおかずが詰められたお弁当パックなどに例えられます。

これは,○○ファンドという投資信託1種類を買うだけでも,間接的に○○に関連する様々な金融資産を分散して購入することになるためです。

株式投資のように自分でアレコレ売買してバランスを考えなくても,一つ買うだけでも勝手にリスクがある程度分散されているという点で,投資信託は単体の株式(個別銘柄)と比較してリスクが抑えられた金融商品と言えます。

一般的に株式を1単元100株買うだけでも数万円からでも可能な場合もありますが,10万円近くから銘柄(簡単に言うとこの場合は会社のこと)によっては数百万円近い金額が一度に必要になることもあります。

この点でも,大勢からお金を集めて運用する投信では,購入者一人当たりの購入額を抑えることができ比較的少額から始められるため初心者向けの投資商品とされます。

また,一度に(ファンド全体として)運用できる金額が大きいため,運用額の小さい個人投資家として活動するよりも市場では優位性があると考えられます。
(*この点についてはこの記事の中でも後程また出てきます)

投資や金融商品というと短時間で価格が変化していると思うかもしれませんが,投資信託の価格(基準価格)は普通一日に一回しか決まりません。
(つまり一回しか変わりません)

これは投資信託という金融商品の仕組みが関係しています。
先ほどご紹介した通りファンドでは人々から集めたお金で株式などに投資をします。

このため,1日の株式の取引時間が終わってから最終的な株価などを踏まえて投資信託の価格が決定されます。

投資信託の主なコスト

販売手数料

読んでそのまま,投資信託を購入する際に別途かかる手数料です。

先ほど紹介したように,投資信託を売っているところと,ファンドを運用しているところが必ずしも同じとは限らないので,販売会社が利益を出すために設定する手数料と考えてよいでしょう。

そのため,同じファンドでも販売店によってこの手数料は異なる場合があります。

この販売手数料がかからないことを「ノーロード」と呼びます。
もし同じ投信でもノーロードのものが有ればそちらを買うと良いでしょう。

信託報酬

株式や債券は基本的に保有しているだけでは手数料がかかることはありません。
一方で,投資信託には持っているだけでかかるコストというのがあります。
それが”信託報酬”です。

投資信託は前述のとおり自分のお金を他者に託して,代わりに運用してもらう金融商品です。

人にものを頼むということは,それなりに人件費などの対価を支払う必要があります。

この点で銀行預金と投資信託はなんとなく似ていますね。(元本保証ではありませんが)

投信の場合は投信を持っている限り,つまり他者に運用を委託している限り運用者への報酬という名目でこの手数料がかかります。

信託報酬の場合は販売手数料のように購入額に対して別途かかるのではなく,純資産総額,つまり損・得を差し引いてその時点でファンドに入れている総額に対して,年~%という形で取られます。

(例えば,1口1万円で信託報酬が年0.5%のファンドを購入し次の年に1万5000円になったら1万5000円の0.5%,つまり75円の信託報酬が引かれます)

販売手数料は購入する時だけかかるのに対し,この信託報酬は持っている限り継続して取られる手数料ですので,数%の信託報酬の違いが,長期的には運用成績に大きく影響します。

また運用成績に関わらず,つまり得していても損していても取られるのが信託報酬です。

同じようなファンドの場合,信託報酬ができるだけ低いものを選ぶだけでなく,トータルで信託報酬の年率を超える利回りを期待できるものを選ぶことが大切です。

購入時に見るべきところは?

先に示した通り,販売手数料や継続して支払う信託報酬ができるだけ少ないほうが良いのは言うまでもありません。

この他にも,投資信託を選ぶ際に重要なポイントがいくつかあります。

ここでは,私が特に重要だと考えるポイントについて理由と共にご紹介します。

いずれも証券会社のサイトでスクリーニング機能を使うことで簡単に絞り込むことができます。

投資対象・地域

これは投資信託に限った話ではなく資産運用を行う上で当たり前のように考える点だとは思いますが,元本保証だと思って投信を買ってしまう高齢の方は,この点すらしっかり把握したうえで購入しているのかも怪しいので改めてしっかりと確認しましょう。

どんな金融商品,不動産であっても投資をする上で考えるべき軸があるといわれています。
それが,対象・地域・期間です。
  • リスクを抑えて先進国の債券に投資するのか
  • リスクを取ってでも成長性を考えて新興国の株式に投資するのか
  • はたまた残された時間が長くはないから投資はやめておくのか
さて投信に話を戻すと買うのは投信ですが,間接的にとはいえ投資することになるため,自身のリスク許容度に合ったファンドを選ぶよう心がけましょう。

以下の記事ではリスク許容度についても紹介しています。まだの方はどうぞ。

投資信託では国内外の株式・債券はもちろん、全世界株ファンドなどを通して世界全体の成長に期待した投資を行うことも可能です。

また,コモディティと呼ばれる実在するものへの投資(投機?)もできます。
(とはいえ,私は純金ファンド以外のファンドは見たことが有りません)

コモディティの例として金,銀,プラチナなど貴金属の他に原油,小麦などがあります

純資産

この純資産は先ほど信託報酬のところで出てきたあなたがファンドに入れている金額の事ではなく、ファンド全体で運用できる金額の事で,ファンドの規模の事です。

この金額が大きければ大きいほど,ファンドとしては安定した運用が可能です。

逆に,純資産額があまりに小さすぎると安定した運用も困難になります。

このことは,なんとなくイメージしやすいのではないでしょうか?
お金持ちとそうでない人とでは前者の方が選択肢が多く安定します。
これはファンドにも同じことが言えます。

ファンドを選ぶ際は,この純資産額が比較的大きなものを選ぶようにしましょう。

分配金額・分配頻度

ご紹介した通り投信を購入し,そのファンドで利益が出ると購入口数に応じて利益の分配を受けることができます。
これが分配金です。

そうであれば,分配金は金額や支払い頻度が多ければ多いほど良いに決まってる。
そう思った方は少し待ってください。冷静に考えてみましょう。

これには,先ほどご紹介した純資産が関わってきます。
多額の分配金を頻繁に支払うということは,それだけ純資産額も減るということです。

世の中にはファンドとして利益を出せていないのに,投資家達の積み立てた分を分配金として支払って純資産を目減りさせてしまっている非常に残念な毎月分配型のファンドもあります。

先ほど純資産が多いほどファンドとして安定した運営が可能になると紹介しました。

ファンドを選ぶ際は,分配金の金額や支払い頻度が過去のトータルリターンに見合っているかどうかも見分ける必要があります。

この点については株式投資における配当金についても同じことが言えますが,それについては株式投資に関する別のシリーズの記事でご紹介します。

上記のことから,一般に分配金の金額や支払い頻度が少なく運用期間が長いものが優良ファンドともいわれています。

投資信託の主な種類

投資信託にもさまざまな種類・分類がありますが,主な投信の種類として,インデックスファンドとアクティブファンドがあります。

インデックスファンド

インデックスとは指標の事で,ここでは例えばTOPIXや日経平均株価(日経225),S&P500(アメリカの株式指標)などの株価指標の事です。

インデックスファンドとは,これらの指数に連動した値動きをすることを目的としたファンドの事を指します。

具体的には,ファンドとして集まったお金を使って,指数に採用されている会社の株式を指数の算出方法に合わせて買っていくファンドです。

通常であればTOPIXやS&P500などは対象銘柄(対象となる会社が発行した株)の株価をもとに算出されるただの指標・数値でしかない為それ自体を買うことはできません。

また,個人投資家が一人で指数の対象銘柄を買い揃えるには莫大なお金が必要です。

その点で,インデクスファンドは個人投資家でも比較的少額から指数を丸ごと全部買ってしまえて,結果的に資金を広く分散させられる非常に優れたファンドであるとも言えます。

加えて,運用が比較的簡単でAIなどでの運用も可能であるため,次に紹介するアクティブファンドよりも信託報酬などのコストが比較的低めに設定されていることが多いです。

これらの点から,数多あるファンドの中から選んで購入するとしても初心者のうちはインデックスファンドが無難と一般的には言われています。

ただし,インデックスファンドといえども運営するにあたり株式等の売買手数料やファンドマネージャー達の人件費などもかかり,外国の金融資産へ投資するのであればさらに為替の変動も絡んでくるため,実際の指数の上昇を超える運用成績を実現するのは難しいという理解は必要です。

アクティブファンド

インデックスファンドがその名の通り対象とする指数に連動することを目的とするファンドであったのに対し,アクティブファンドはそのインデックスファンドを超える運用を目指すファンドであり,そのために活発に(アクティブに)売買を行うのが特徴のファンドです。

そのため,運用にも非常に手間がかかりファンドマネージャーへの報酬も高くインデックスファンドに比べると信託報酬が高めに設定されていることが多いです。

それなら,当然インデックスファンドよりもずっと良い運用成績を出せているんだよね?と思いますが,実際にはそうとも限らないようです。

また,いわゆるぼったくりファンドと呼ばれるファンドがアクティブファンドには多いそうです。
ある研究でファンドマネージャーが知恵を絞って考えたポートフォリオと,お猿さんにダーツを投げさせて決めたポートフォリオとで運用成績を比較したところ,どちらも大差ない結果になったなんてお話も。
(お猿さんスゴイ!!なのかファンドマネージャーが大したことないのか…?)

これが,私がファンドマネージャーの事を一応投資プロと表現した理由でもあります。

そういう訳で,少なくとも初心者のうちはアクティブファンドに手を出すのは控えたほうが無難でしょう。

投資信託と関係する制度

当ブログでは原則として仕組みや特徴の紹介と,場合によっては私の考察を中心に記事を構成しています。一方で,税金や制度についての紹介は控えています。
(特に汎用の高い知識の提供を目的するシリーズものの記事では)

これは,制度や税率というのは為政者によってコロコロ変わるためです。

しかしながら,ここで紹介する制度と投資信託は特に深いかかわりがあり,当ブログの目的にも関わるところであり,今後非常に重要になってくると考えるためご紹介します。
(とはいえ,今後改変の可能性や予定もありますから十分に注意してください)

つみたてNISA(ニーサ)  

NISAなら名前だけなら知っているよ~という方もいらっしゃるかもしれません。
両方とも運用益,つまり投資により得られた配当金や売買価格から手数料を引いてプラスになった利益部分に対して税金を引きませんよという税金の優遇制度です。
通常であれば,例えば2021年1月現在ではこの利益のうち20%くらいが税金として取られてしまいますが,それをしませんよということです。

しかし,つみたてNISAとNISAとでは異なる点があるので注意が必要です。
具体的には年間の投資上限額や利用可能な期間に違いがありますが,ここで特に重要なのは投資対象の違いです。

普通のNISAでは投資信託,国内外の株式で運用した場合にその利益部分に対する税金が免除されます。

一方で,つみたてNISAでは国が定めた基準を満たしたファンドに限定して運用益が非課税になります。

一部のファンドにしか適用されないのであれば意味ないと思うかもしれませんが,これにはしっかりとした理由があるのです。

これまでもそれとなく触れてきたように,数多存在する投資信託の中には優良ファンドと呼ばれる商品がある一方で,ぼったくりファンドと呼ばれるようなものが多数存在するのも事実です。
つみたてNISAの対象となっているファンドはその数多あるファンドの中から金融庁の厳しい基準を満たした選りすぐりの,いわば金融庁のお墨付きファンドです。

私がここで言いたいのはつみたてNISAの制度内容がドウコウということではなく,もし投信を選ぶ際に迷ったならば,つみたてNISAを利用するかどうかはさて置き,つみたてNISAの制度対象となっているファンドを選ぶと良いということです。

*なお,NISAの制度自体は2024年以降,制度変更が予定されています。

iDeCo(イデコ)

NISAの他に,最近(2021年1月現在)よく聞くようになったiDeCoも資産運用・投資に関わる税金の優遇制度の一つです。
iDeCoは個人型確定拠出年金の愛称です。

この制度は
  • 毎月自分でお金を積み立てて
  • さらにそのお金を運用して自分の老後に備えましょう
  • そうすれば積み立て額は全額控除対象に
  • 運用益も非課税に
  • 老後の受け取る際も一定額までは非課税にしますよ
というもので,簡単に言ってしまえば国の年金だけに頼らず,自分でも老後の資金を用意するのであればその分税を優遇しますよという国が用意した年金制度です。
制度に関する詳細はここでは省略しますが,もちろん様々な注意点があります。

また,iDeCoでは定期預金,保険そして投資信託で積み立てたお金をさらに運用して増やしていくことになります。
iDeCoにもコストがかかるため,そのコストを上回るリターンを比較的期待できる投資信託で運用する人が多くなるのではないでしょうか?

iDeCoを利用するかしないかは人それぞれで自由ですが,国がこのような制度を用意する意図を考えると…?
(これに関しては後日,勝手な考察記事を上げる予定です。)

そうでなくても,企業型確定拠出年金というものもあり,これを採用している会社では運用方法(つまりポートフォリオ)は自分で勝手に考えてねと言われます。
それを言ってくる会社の人も必ずしも金融について知識があるとは限りません。

このような点から投資信託に関する知識は今後,特に若い人にとっては必須になりつつあるのではと考えます。

特徴ある投信?

これまで投資として紹介してきたものはいわゆる一般的な投資信託であったのに対し,最近ではETFやREITと呼ばれる金融商品も存在します。

深くは触れませんが,今後本格的に資産運用・投資を行うつもりの人にとっては知っておいたほうが良い金融商品かもしれないので,最後に本当に簡単に少しだけご紹介しておきます。


ETF

ETFはExchange Traded Fundsの略で,日本語では上場投資信託とも呼ばれます。

上場の定義は前回の第7回でご紹介した通りです。
忘れてしまった人,まだ読んでいない人はで分からない方は参考までに以下のリンクからどうぞ。
(参考:マネーリテラシー概論 超入門【第7回】株式)

とは言いつつ,簡単に言えば金融市場で不特定多数の人が売り買いできる状態にすることを上場と呼んでいたわけです。

簡単に一言で言ってしまえば,ETFは(主に価格が)株式のような振る舞いをする投信ということになります。

投信は基本的に一日に一回しか価格が決まらないと紹介しましたが,ETFの場合は株式と同様に取引時間中であれば価格が変わります。
また,普通の投信は銀行や郵便局でも買えたのに対しETFはやはり証券会社を通して買う必要があります。

株と投信の良い所(悪いところも?)を兼ね備えた金融商品と言えます。

REIT

一方でREITはReal Estate Investment Trustの略で,日本語では不動産投資信託と呼びます。
不動産の購入には通常とても大きな金額が必要になりますが,このREITでは投資信託の仕組みを利用して投資家達から集めたお金で不動産投資を運用者が行い,それにより不動産の家賃収入や売却益を投資家に分配金という形で還元する金融資産です。

こちらもETFと同様に上場しているものが多いです。

初心者にとっては手が出しにくい不動産投資を比較的低リスクで少額からできるという点がREITの魅力と言えます。


まとめ

今回は皆さんにとって身近な,或いは身近になりつつある金融商品である投資信託についてご紹介しました。
投資信託はぼったくりも多いといわれているため,これまであまり良いイメージを持っていなかった方も多いのではないでしょうか?
そうでなくても投信は自分で動かせないから嫌いだと言う人(私の母)もいます。

しかし,選び方を間違わなければ手軽に分散して投資を行える優れた金融商品でもあります。
個人型確定拠出(iDeCo)の例など今後ますます個人での資産運用の必要性が増していくことで注目される金融商品といも言えそうです。

そうであれば,投信に関する理解はますます重要になるかもしれませんね。

既に投信を持っている人はそのカゴの中の果物が腐っていないか,これを機にもう一度見直してみてはいかがでしょうか?

さて今回でこのマネリテシリーズも主な部分はおしまいです。


次回,第9回は少しだけ初心者の粋を超えてコモディティについて触れます。
これまでご紹介してきた金融商品と比べリスクが大きな金融商品ですが,一部初心者でも理解しておいたほうが良い側面もあるため記事を書こうと思った次第です。

ということで次回をお楽しみに。
それでは,お疲れさまでした。




参考文献

1)ミアン サミ,”教養としての投資入門”,朝日新聞出版,2020,p.89-91,p.115-117
2)山崎 元・大橋 弘裕,”難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください”,文響社,2015,p.77-95,p.109-127,p.163-199,p.206-222