新社会人に伝えたい!お金の話(①給与・税金編)
新社会人に伝えたい!お金の話
①給与・税金編
日本では,毎年4月になると多くの若者が「新社会人」として社会に旅立ちます。
(というよりは旅立つことを余儀なくされるのでしょうか?)
そして,早い人は4月末には初の給料日がやってきます。嬉しいですよねぇ~。
でも,そのお金どう使いますか?
また,会社によっては研修の中で「保険,財形貯蓄,持株会」などなど
お金に関する制度・福利厚生について説明されるかもしれません。
しかし,多くの人は学校を出たばかりでお金の話には実感がわかず,説明を受けてもどう判断すればよいのかがわからないのではないでしょうか?
この記事では新社会人の皆様に向けて知っているほうがよさそうな知識を,私なりに軽くゆるく紹介しています。
あくまでお金の使い方は人それぞれ,絶対的な正解はありません。
また,お金の事に限らず人生の大部分は悲しいですが自己責任です。
とはいえ,この記事が新社会人の皆様の判断の一助になれば幸いです。
*この記事ではリスク資産である株式についての内容も扱っています。
毎度のことですが最終的な判断は自己責任でお願いいたします。
加えて,所属する会社・団体や雇用契約の種類により紹介内容とずれがある場合があります。あくまでご参考までに読んでいただければ幸いです。
(詳しくはプライバシーポリシーをご確認ください。)
毎度のことですが最終的な判断は自己責任でお願いいたします。
加えて,所属する会社・団体や雇用契約の種類により紹介内容とずれがある場合があります。あくまでご参考までに読んでいただければ幸いです。
(詳しくはプライバシーポリシーをご確認ください。)
目次
給料と税金(パート①)
- 給料明細の構成
- サラリーマンの税金
福利厚生(パート②)次回
- 保険
- 財形貯蓄
- 持株会
- クレジットカード
給料と税金(パート①)
給料明細の構成
会社を受ける際に給料の額を気にしない人などいないのではないでしょうか?
一方で,その給料の内訳を気にせず雇用契約を結ぶ人も多いことと思います。
ここでは,給与明細を分解してみることで給料について理解していきましょう。
まず,お手元の給与明細と睨めっこしていただくと,上の段に「支給」という枠があるかと思います。
この中には大きく以下の2種類のお給料について記載されています。
- 基本給
読んで字のごとく,給与のベースとなる額です。
昇給やボーナスの基準になるお給料がこれとなります。
- (各種)手当
資格,役職,通勤,時間外などなど条件を満たすことで追加で支払われるお給料になります。
(この手当の種類は業種,職種,会社によって大きく変わります。)
ここに書いてある合計額が会社から皆さんに(形式上は)払われる額となります。
続きまして,その下の「控除」の枠を見てみましょう。
ここには上記の「支給」から引かれる額が記載されています。
主なものとしては,以下のものが有名です。
- 各種社会保険料(雇用,健康,厚生年金)
雇用保険:
失業した際などに「失業給付」を受けるために入っている国の保険制度です。
もしそのような事態になった場合はすぐに受け取り申請しましょう。
基本的にこのような国の制度は自ら申請しないと利用できません。
健康保険:
いわゆる皆保険と呼ばれるやつですね。
医療費を3割だけ負担すればよいというのはこれのためです。
日本特有のそこそこ優秀な制度ですので,必要な時は躊躇なく利用しましょう。
医療費控除,高額療養費制度などについても把握しておくと吉です。
厚生年金:
これまた20歳以上の
その一方で年金制度は破綻すると言って保険料を払わない!という方もいるようですが,我々「サラリーマン(給与所得者)」は給料から天引きされるので関係ないです。
また年金は老後にのみに自身だけが受け取るもの思っておられる方も多いようですが,それは年金の機能の一部(老齢年金)でしかありません。
年金には上記の老齢年金に加え「障害年金」「遺族年金」という機能があり,それぞれ自身が障害を負い働けなくなったとき,死亡したときに自身や遺族が受け取ることになります。
年金はこのようなセーフティーネットとしての役割があります。
また,破綻すると騒いでいる人も一部いらっしゃいますが実際にはもう少し頑丈な制度です。
加えて,年金の財源の一つに「消費税」があります。
これがどういうことかというと,年金に加入しないとこの消費税分も取り返せないということです。
減額の可能性があるにしても,年金は払っておいたほうがマシといえるでしょう。
ここまでが,社会保険料についてのご紹介になります。
天引きされるお金のうち社会保険料は年々負担が大きくなっていると言われていますが,基本的には
そして控除のうちもう一つ大きなものとして「税金」があります。
これは「世のため人のため,そして貴方のため」という名目で盗られる額になります。
下で詳しく説明いたしますが,労働者の給与にかかる税金として以下の二つがあります。
所得税:
給料の額の大きさに応じて,引かれる額が大きくなる税金(国税)で国に取られます。また,この稼げば稼ぐほど取られる課税システムがいわゆる「累進課税」です。
サラリーマンが税金奴隷と言われる所以でもあります。
住民税:
一方こちらは,住民票のある都道府県や市区町村に取られる「地方税」です。有名な話ですが,住民税は前年の収入を基準に税額が決められるため,普通の新社会人の皆様は取られません。
社会人二年目で収入が減るといわれる原因もこの住民税です。
また,失業して収入が減っても同様に前年の収入をもとに税額が決まります。
もしもの時は減免の制度もあるらしいので,躊躇せずお住いの自治体の税務課等に問い合わせましょう!
ここまでで,給与明細の内訳について大まかにご説明しました。
他にも,会社によっては寮や社宅の家賃,社員食堂の利用費,労働組合の会費(?)
財形貯蓄や持株会の積み立て分(後述)などなど自分が使った分,食べた分のお金が天引きされる会社もあるようです。
ご自身の会社の制度をよく確認してみましょう。
サラリーマンの税金
ここからは,「サラリーマン(給与所得者)」と切っても切れない税金のお話です。
先ほどから私はサラリーマンをあえて給与所得者と表現しています。
それは私達サラリーマンが給与(サラリー)を主に生計を立てている納税者だからです。
それは私達サラリーマンが給与(サラリー)を主に生計を立てている納税者だからです。
私たち労働者が対価として会社から得ている所得は特に「給与所得」に該当します。
(所得には他にも利子,配当,事業,一時,雑,退職,山林など多くの種類があります)
給与所得の所得税計算については前述の通り「累進課税」が適用され,手取りの額に大きな影響を及ぼします。
ここでは,所得税について考える上で控除,課税所得などの考え方についてご紹介します。
(なお,住民税その他もろもろについてはここでは割愛させていただきます。)
まず,重要な事実として税金はその年の収入の全部に対してかかるわけではありません。
条件によっては収入の一部を稼いだけど稼いでいないことにできるという制度があります。
条件によっては収入の一部を稼いだけど稼いでいないことにできるという制度があります。
例えば、
- サラリーマンでも仕事のために必要な物品購入等で経費はかかるよね?
- ということで基本的に普通のサラリーマンならみんな差し引ける基礎控除。
- 結婚していて配偶者がいる場合は配偶者控除または配偶者特別控除。
- 子供がいるなら扶養控除
- 生命保険料を払っていれば生命保険料控除
などなど。
状況・条件に当てはまれば稼いでいないことにできる額を増やすことができます。
また前述の社会保険料についても社会保険料控除として差し引くことができます。
給与所得に関してはこれらの控除の額を所得から差し引く(控除する)、つまり前述の通り「所得の一部を稼いでいないものとして扱う」ことができます。
このような控除の事を「所得控除」と呼びます。
そして,これら控除額の合計を(主に給与)所得の合計から差し引いた額を「課税所得」と呼び,この額に対して課税されることになります。
また,かかる税率もこの課税所得により決まります。
加えて税率によっては控除額が決まっており,その額をさらに直接差し引くことができます。
ここまで言葉で説明してきましたがわかりにくいでしょうから,最後に簡単でふざけた,ゆえに楽しく分りやすいであろう計算例をお示しします。
例)
日本国と同様の税制度と通貨(円)を採用している委本という不思議な国に住んでいる,夢二君のある年の所得は300万円でした。
夢二君には奥さんと子供が一人ずついて,配偶者特別控除と扶養控除がそれぞれ50万円ずつ,社会保険料控除と基礎控除でそれぞれ25万円所得控除が適用されます。
また委本国の所得税率および控除額は以下の表のとおりです。
異本国において夢二君の課税所得と搾取される税額,その結果残る夢二君の手取りの年間所得を求めましょう。
答え)
まず,控除額合計を求めると
50×2+25×2=150(万円)
これを(額面の)年間所得から差し引くことにより,夢二君の課税所得は
(課税所得)=300-150=150(万円)
次に,表4段目より課税所得150万円の場合
・税率は10%
・控除額は2000 円
・税率は10%
・控除額は2000 円
ゆえに求める(搾取される)税額は
(税額)=(課税所得)×(税率)-(控除額)
=150 万円 × 10% - 2000 円
=15 万円 - 2000円
=14万 8000円
(税額)=(課税所得)×(税率)-(控除額)
=150 万円 × 10% - 2000 円
=15 万円 - 2000円
=14万 8000円
以上より夢二さんの年間手取り年収は
300 万円 - 14万 8000円 =285万 2000円
300 万円 - 14万 8000円 =285万 2000円
まとめ
いかがでしょうか?
流石にこんな我々の日本国ではこんなにでたらめではないでしょうが,計算の手順としては同様です。
流石にこんな我々の日本国ではこんなにでたらめではないでしょうが,計算の手順としては同様です。
また,実際には計算や納税は会社がすることになっているので普通のサラリーマンの方が,この計算を自らすることは無いでしょう。
しかし,給与明細や源泉徴収票,必ず取られる税金について自身で理解していることが,今後の長い人生で(節税とか)自身の助けになることと思います。
今回はこの辺にして,次の記事では皆さん大好き「福利厚生」のお話ができればと思います。
それでは、さようなら。
参考文献
1) 国税庁HP,給与所得者と税(閲覧日:2022/4/24)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/02_1.htm
コメント
0 件のコメント :
コメントを投稿
コメントいただけますと励みになります。
ご質問ご意見ご感想をお待ちしております!