マネーリテラシー概論 超入門【番外編2】クレジットカード 2-3.賢いクレカの選び方と使い方
マネーリテラシー概論 【番外編2】クレジットカード
2-3.賢いクレカの選び方と使い方
前回の記事ではクレジットカード利用時の注意点について簡単にご紹介しました。
キャッシュレスが一般に普及し始めている今日においても,クレジットカード利用に関するトラブルは後を絶ちません。
これを機に「知らないもの,理解できないものには手を出さない」という金融の大原則を徹底しましょう。
今回は前回ご紹介したクレジットカード利用の注意点を踏まえた上で,賢いクレカの選び方と使い方についてご紹介します。
まだ1枚もクレジットカードを持っていないけど,作りたい,でも無数にあるカードからどうやって選べばよいの?という方。
初めてカードを作ったけど,怖くて1回も使っていないという方。
今回はそんな方々に向けた記事となっています。
なお,この記事はマネリテ概論シリーズの範囲内であるため,初心者を対象にしています。
人によっては当たり前と思うことも多分に含まれていることをご了承ください。
注意:
この記事ではお金に関わるデリケートな内容を扱っています。
プライバシーポリシーを十分にご確認の上,お読みください。
賢いクレジットカードの選び方
キャッシュレス決済全盛期の今日,クレジットカードを発行している会社や組織は星の数ほどあります。
一般的な〇〇カードという会社だけでなく,一部国立・私立の大学(大学生協?)でも在学生・卒業生向けにクレジットカードを発行しているところさえあります。
そんな現代において,初めてクレジットカードを持つときにどのようにメインカードを選ぶべきか?
そんなお悩みをお持ちの方に,オススメの選び方をご紹介します。
1.年会費無料のものを選ぶ
現代においてクレジットカード利用者は無料でその恩恵を受けることができます。
しかし本シリーズ第一回の”2-1.クレジットカードの仕組み”でお伝えした通り,その裏にはカード会社とショップとの間での手数料のやり取りがありましたね。
であれば,メリットを最大限享受するためにも余計なコストは抑えるというのが鉄則です。
(この点は投資信託を選ぶ際と同じ考え方ですね)
特に初めてカードを持つ方がメインカードとして持つカードであれば,年会費を払ってまで余計な特典やサービスのついたゴールドカードを契約する必要はありません。
あくまで”決済手段”として年会費無料の一般カードを選ぶようにしましょう。
ここで一つ豆知識ですが,年会費無料のものには「永久」無料と「永年」無料のものがあるようです。
「永久」は未来永劫ずーっと無料と捉える事ができます。
一方「永年」の定義は永久のように長い(永い)間であり,将来的には制度改悪などにより会費無料でなくなる可能性もないことは無いようです。
(とはいえ,有期ではないので直ちに年会費有料になることもなさそうですが)
他にも,条件付き年会費無料,初年度年会費無料というものがあります。
ちなみに私はサブカードで「年一度の利用で年会費永年無料」というゴールドカードを使っています。
しかし,最初のメインカードであれば「永年」か「永久」無料の一般カードで十分でしょう。
2.国際ブランドを選ぶ
いきなり「国際ブランド」と聞いてなんの事?と思う方もいるかもしれません。
「国際ブランド」と言うのは実際に決済サービスを提供している会社のことです。
代表的なものにVISA,マスターカード,JCB,アメリカン・エキスプレスなどがあります。
第一回では「簡単のためにカード会社」として一括りにして説明していましたが,その中身は大きく「国際ブランド」と「カード発行会社」が含まれています。
「カード発行会社」はその名の通り実際に消費者に対してクレジットカードを発行している会社のことです。
私達に馴染みがあるのはむしろこちらの発行会社のほうかもしれませんね。
発行会社の話題は後で出てくるとして,ここではまず決済サービスを提供している国際ブランドに着目してご説明しましょう。
結論から申し上げますと,初めてのメインカードであれば国際ブランドはVISAかマスターカードがおすすめです。
これには,国際ブランドの世界シェアが大きく関わって来ます。
以下に国際ブランドごとのシェアをグラフにしたものを示します。1)
図1.国際ブランドごとの世界シェア |
上図のとおり,VISAとマスターカードで世界シェアのほとんどを占めています。
このことから「Visaかマスターカードを持っていればクレジットカードの使える店のほとんどでカード決済が可能」ということが言えます。
クレジットカードをただの決済手段と捉えるのであればまずはメインカードとしてVISAかマスターカードを持っていれば間違いないでしょう。
ただし,それだけだと味気ないので他の国際ブランドの特徴についても以下にご紹介します。
表1.国際ブランドごとの特色
VISA(ビザ)
何度も申し上げました通り,他の追従を許さない泣く子も黙る世界トップシェアを誇る国際ブランドです。
私もメインカードの国際ブランドはVISAと決めています。
世界中どこでも使えると言われる,圧倒的な加盟店決済網を持っています。
実際に私がマレーシアに行った際も問題なく決済することができました。
Mastercard(マスターカード)
VISAに続く二番手。
樹木希林さんのCMでお馴染みだった「人生にはこれがいる」のMastercardです。
二番手と言いながら私は使えないお店は見たことがありません。
American Express(アメリカン・エキスプレス,アメックス)
その名も高きアメックス。
伝統あるステータス性の高いハイブランド国際ブランドです。
この国際ブランドが前述の2つの国際ブランドと大きく違うのはT&E国際ブランドである点です。
T&Eとはトラベル&エンターテイメントのことで,充実した旅行,娯楽などのサービスに力を入れている国際ブランドであるとされています。
またプロパーカードと呼ばれる,国際ブランドが直々に発行するカードもアメックスでは発行しています。
アメックスのプロパーカードは最もランクの低いグリーンカードでも一般的なカードのゴールドカードと同じくらいのステータスがあると言われており,空港のカードラウンジも利用できます。
(もちろん年会費もかかりますが)
初めてクレジットカードを作る方が,メインカードとして作るには少々敷居が高いように感じられます。
また,シェアもVISAやマスターに比べて大きくはないためメインカードとして選択する理由はあまりなさそうです。
とは言え,日本においては後述のJCBと提携しているため殆どのお店で使うことができるでしょう。
ちなみに私もサブカードの国際ブランドはアメックスです。
JCB
最後にご紹介する国際ブランドはJCBです。
冒頭で一般的に広い範囲ではVISAかマスターカードがオススメと書きましたが,条件によってはJCBが一番オススメです。
その条件が「日本国内だけでカードを利用する」ということ。
表1でお示ししたとおり,JCBは唯一日本の国際ブランドです。
そのため,世界シェアは小さくても日本国内だけで見ると国内シェアはVISAに継ぐ第2位です。
また日本の国際ブランドなだけあって,日本向けのサービスに関しては他の国際ブランドに引けを取ることはないでしょう。
私も日本国内でJCBの使えないお店は見たことがありません。
VISAやマスターがオススメなのはあくまで世界的に見てどれくらい広い範囲で利用できるかを考えた場合の一般的な話。
日本から出ることのない人でかつ愛国心の強い人であればなおさらJCBがオススメです。
3.ポイント還元率で選ぶ
私達は表立ってカード決済の利用料を払っていないですが,もしかしたら間接的に払っているかもしれないというのは本シリーズ第一回の”2-1.クレジットカードの仕組み”でお伝えした通りです。
であれば,できるだけその利用料分を取り返すことに着目してクレジットカード選びも行いたいですよね?
そこで着目すべき指標が「ポイント還元率」です。
2-1でお伝えした通り,カード会社は加盟店から売上の~%と言うかたちで手数料を受け取っています。
つまり,ポイント還元率はその~%のうち何%を取り戻せるかという指標であるとも捉えることができるわけです。
このポイント還元率は国際ブランドではなく”カード発行会社”によって左右されます。
こちらの代表例としては三菱UFJニコス,楽天カード,イオンカード,クレディセゾンなどがあります。
楽天やイオンは特にCMなどで有名かもしれません。
結論としては,原則としてポイント還元率は高ければ高いほうが良いです。
ただし,あくまでこれは原則として。
ポイント還元率が高くても,それ以上に年会費が高く付くようなカードは避けましょう。
またポイント還元率が高いからと言って,キャンペーンや特典という甘い言葉に流されて必要ない買い物をするのも避けたいところです。
また,極度に良いサービスを受けられるということはその裏で逆に不利益を被っている人々がいるかも知れません。
一消費者として商品やサービスの利益がフェアなものかという視点でも見極めたいものです。
ちなみに今のところ私はメインカードとして楽天PINKカードを利用しています。
ただし,あくまでポイント還元率と券面のデザインで選んだだけで,月会費のかかる特典には入会していません。
年会費も通常の楽天カード同様に無料で使っています。
賢いカードの使い方
初めてのクレジットカードを手に入れたら,大事なのはどう使うか?です。
ここで大切なのは次の2つです。
- 基本的に一回払いで利用する
- 口座残高の範囲内で利用する
一回払いで利用する
前回2-2.クレカ利用の注意点でお伝えした通り,一回払い以外での利用には手数料がかかります。
余計な手数料を支払うくらいであれば今まで通り現金払いの方がマシですよね。
加えて,リボ払いなどの支払い方法を選択すると長期にわたってカード会社に不必要な献金をすることになりかねません。
クレジットカードの利点を最大限に享受するのであればやはり余計なコストはかけないのがベストでしょう。
口座残高の範囲内で利用する
クレジットカード払いはたとえ一回払いだったとしても引き落としが完結するまで実質借金と同義だということは前回お伝えした通りです。
このことを理解していらっしゃる方はクレジットカードを手にしたものの使いすぎてしまううのが怖くて中々実際に利用できていないかもしれません。
私の身の回りにもそのような方はいますし,実際私も怖くてクレジットカードを利用し始めたのはカードが手元に届いてから半年以上たった後でした。
そんな私から皆さんにお伝えしたいこと。
それは「口座残高の範囲内で使えば怖くない」ということです。
現金払いをしていたとき,手元にある金額以上に使ってしまったという経験があるでしょうか?
使わなかった,というよりは使えなかったのではないでしょうか?
であるならば同じように今までの生活費をただ現金払いからクレジットカード払いにかえるだけです。
どのみち払わなければいけないお金なら,払い方をクレジットカードにかえるだけでポイントがついて結果お得になります。
そう考えればカード利用も怖くはなくなるのではないでしょうか?
私はこの考え方で初めてのクレジットカード利用を乗り越え今に至ります。
まとめ
今回はクレジットカードの賢い選び方使い方という内容でご紹介しました。
国際ブランドについては汎用性を考えて一般的なオススメをご紹介しましたが,正直なところ実際にはどの国際ブランドも国内のほとんどのお店では使えるのではないでしょうか?
私も使えなかったところは過去に1,2回見かけた程度ですので最終的には好みで選ぶのでも問題はない気もします。
クレジットカードは正しく賢く使えば本当に便利なツールであることにかわりはありません。
その利益を最大限に享受しましょう。
それではサヨナラ,サヨナラ,サヨナラ~
マネーリテラシー概論 超入門【番外編2】クレジットカード編
参考文献
1)サルでもわかるクレジットカード徹底比較!(2023.1.6)
https://creditcard-rescue.com/column/card-share/
https://creditcard-rescue.com/column/card-share/
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