マネーリテラシー概論 【番外編2】クレジットカード 

2-2.クレカ利用の注意点


前回の記事ではクレジットカードの仕組みについて簡単に解説しました。

簡単にとは言え,普段使っているクレジットカードの裏側について知らなかった方も多いのではないでしょうか?


今回は前回に引き続き,クレジットカードを利用する際の注意点を紹介していきます。

なお,この記事はマネリテ概論シリーズの範囲内であるため,初心者を対象にしています。
人によっては当たり前と思うことも多分に含まれていることをご了承ください。

注意:
この記事ではお金に関わるデリケートな内容を扱っています。
プライバシーポリシーを十分にご確認の上,お読みください。


目次

・2-1.クレジットカードの仕組み←前回

・2-2.クレカ利用の注意点←今回

・2-3.賢いクレカの選び方と使い方←次回

・2-4.クレカのうれしい特典

・2-5.あこがれのゴールドカード?


クレカ利用の注意点

クレジットカードは1枚あればそれだけで買い物ができてしまう超便利な現代の決済ツールです。

オマケに,使えばそれだけポイント還元でお得に買い物ができてしまうことも。

しかし,クレジットカードの本質が「借金であることにかわりはありません。

ここではクレカ利用時の注意点で代表的なものを3つご紹介します。

1.残高の範囲を超えて利用しない


先程申し上げた通りクレジットカード利用はたとえ金利のかからない1回払いであってもその本質は借金です。

このことは当たり前といえば当たり前のことですが,必ずしも全ての方がそれを理解しているわけではないようです。1)


カードを通すだけでお買い物ができるためあまり意識することもないかもしれませんが、クレジットカードの未払い残高は引き落としが完了するまでは借金です。

考えて使わないと翌月の引き落とし日に地獄が待っています。

とはいえ,カードを通すだけなので自分がいくら使ったのがわかりにくい。

そこでオススメなのがカード発行会社が提供するスマホアプリの利用です。

これを使えばカードの請求書が届かなくても一回一回の利用額がそこそこ早く反映され,自分が今月いくら使ったのか把握しやすくなります。

加えて,家計簿機能も合わせて提供しているカード発行会社のアプリなら種類ごとに支出を管理することもできます。

2.変わった・知らないサービスに手を出さない

キャッシング・2回払い・分割払い・リボ払い,カードローン。

突然ですがこの5つの中でどれが一般的に手数料がかからないサービスでしょうか?

正解は「2回払い」です。

しかし,それはあくまで一般的な話。2回払でも手数料の発生するカード会社は存在します。

また、キャッシング・リボ払い,カードローンとはなんでしょうか?

なんとなく危ないサービスと聞いたことはあるかもしれませんが,ちゃんと把握できている方は少ないのではないでしょうか?

クレジットカードの利用は投資ではありませんが,投資と同じく金融の世界では「知らないものには手を出してはいけない」というのが鉄則です。

キャッシング


簡単にいうとキャッシングとはクレジットカードを使ってお金を借りる機能のことです。

一般に皆さんが想像するクレジットカードの利用には「ショッピング枠」という枠が設けられ,その枠の上限まで買い物をすることができます。

一方で「キャッシング枠」という枠も設定され,この枠の中でその辺のATMからお金を借りることもできます。

このキャッシングの問題点は金利がものすごい高いということ。

その金利はなんと10%を超え20%近くの場合も。

このマネリテ入門シリーズで学んできた人にとってはこの金利がどれほど高いかおわかりになるでしょう。

金利について考えるとき最も大切なことは「相場を知る」ということですよね?

カードローンも同じようなお金を借りることのできるクレジットカードのサービスです。

2つの違いは以下の三井住友カードのサイトで説明されています。



どちらにせよ,クレジットカードを買い物以外のツールとして利用するのは利用者側としてはあまり良いこととはいえません。

キャッシング枠は0円に設定することもできるので,誘惑に負けそうな方はあらかじめキャッシングができないように対策しておくのも吉です。

加えて,キャッシング枠を0円に設定するほうがカード審査にも通りやすくなります。

リボ払い(リボルビング払い)


一方でリボ払いはどうでしょう?これは払いとつくだけあってショッピングに関係するサービスではありますが,これには大きな爆弾が潜んています。


リボ払いとはクレジットカードの利用金額や利用件数に関わらず、あらかじめ設定した一定の金額を月々支払う方式です


このリボ払いの問題点は,支払い残高がなかなか減らないということ。

大きな額の借金を,高い金利で,少しずつ返済していくとどうなるかは皆さんのご想像のとおりです。

返しても返しても,金利の部分だけしか返済できず元本部分が減っていかないため,永遠に返済から抜け出せず,お金がなくなるまでカード会社の食い物にされる。

これが嫌ならリボ払いは避けましょう。

3.複数のカード会社に同時に申し込まない・持たない

私は現在メインとサブ合わせて2枚のクレジットカードを所有しています。

メインカードは一方的にショッピング枠を格上げされて70万円に。

サブカードは元からなぜか100万円を超えたショッピング枠を設定されていました。
(これは仕方のないことなのですが・・・)

ですが,正直サブの方はあまり使っていません。

用途でギリギリ使い分けていますが両方の機能が合わさっていればクレジットカードは1枚で十分だと思っています。

複数持たないという選択を

複数持ちのデメリットは以下のとおりです。
  • 枠の合計が大きくなりすぎる
  • 不正利用時のリスク増大
  • 家計管理が困難になる
  • ポイントが効率よくたまらない

カードの利用枠はカード1枚1枚にそれぞれ設定されます。

最低で20万円くらいからショッピング枠は設定されるようですが,普段2つ分以上のショッピング枠を1ヶ月の間に使い切るほど普通は買い物はできないでしょう。

メインカードの方だけでも使い切ったら収支バランスがおかしくなってしまいます。

これから初めてのクレジットカードを作ろうと思っている学生の方や,新社会人の方であればなおさらメインカード一枚だけというのが良いかもしれません。

同時に複数申込みをしない

これにはクレジットヒストリー(通称クレヒス)と言うのもが関係しています。

クレジットカードを発行する際にはカード発行会社の審査を受けることになります。

ただし,1つのカード会社だけで審査をすると効率的でなくかつ情報量も少なくなってしまいます。

そこでカード発行会社は審査の際には信用情報機関というところに協力を求めます。

そこにはあらゆる人のカード利用に関するあらゆる情報が共有されていて,その情報をもとにカード発行会社は審査を進めます。

そんなときに,別のカード発行会社でも同時にカード発行を申し込んでいるとわかるとどうでしょうか?

この人は返済能力があるのだろうか?と疑われかねません。

ということでクレカの同時申し込みは避けたほうが良いとされています。


ちなみにこのクレヒスですが,信用情報機関に申請すれば自身の情報を見ることが可能です。4)

ただし,有料ですが・・・。


まとめ

今回は,クレカ利用時の注意点をいくつかご紹介しました。

クレジットカードは便利な半面,落とし穴が潜んている金融サービスでもあります。

クレジットカードのスマホアプリを見ていると,支払い方法の変更でポイントプレゼントとかカードローン利用でプレゼントなどというキャンペーンがよく紹介されます。

しかし,得られるポイント以上に失う額が大きいことは目に見えています。

というわけでキャンペーンという言葉に惑わされて被害を被ることのないようにという思いで今回の記事は作成を決めました。

また,最後のクレヒスはカード発行時の審査だけでなく,上位カードへの招待(インビテーション)の際にも重要になるようですので,傷つけないように心がけたクレカ利用をしましょう。


マネーリテラシー概論 超入門【番外編2】クレジットカード編    



参考文献

1)金融広報中央委員会HP,金融リテラシー調査2022年調査結果

2)三井住友カードHP,クレカの基礎知識
 https://www.smbc-card.com/nyukai/magazine/knowledge/caching.jsp